魅力的な物語には「大きな葛藤」がある
今回は、葛藤を作品に組み込むときの考え方についてご紹介します。
前回の記事では、葛藤がもつ意味やその性質について解説しました。
● 「葛藤」について
葛藤する原因が、内側にある場合と、外側にある場合。
原因のあるところに違いがあるとはいえ、もちろんどちらも同じ「葛藤」であり、ここに優劣をつけることはできません。
ただし、葛藤を作品に組み込むということは、葛藤する状況を構造的に作り出す必要があります。
書き手は、相反する二つの事柄や、そこから生まれる迷い、いざ選択したときにどういう結果がもたらされるかなどを、意識して組み立てなければなりません。
そのとき、どちらの葛藤を扱えば良いのでしょうか。
結論からいいましょう。
魅力的な物語にしたいのであれば、原因が外側にある葛藤のほうが良いです。
理由としては単純で、原因が外側にあったほうがより激しく強い葛藤を生み出せるからです。
内からくる葛藤は、主人公の心情を描写するだけで成立させることができます。
「昼飯はラーメンにしようか、牛丼にしようか」といった葛藤は、比較的かんたんに解決することができるものです。
物語を発展させるきっかけや、人物像を描きたいときの要素としては利用できるでしょう。
しかし、パーソナルな日常にある葛藤から、激しさや強さは感じません。
それに比べ、外からもたらされる葛藤は物語の展開をダイナミックにすることができます。
たとえば、2人の異性を登場させ、主人公の恋に迷いを与えるとか。
2つの会社から内定をもらい、どちらかを選ばなければならないとか。
とある選択を迫られ、一方では自分が殺されるかわりに友人が助かり、もう一方では自分が殺されずに済むかわりに友人が殺される、とか。
このような葛藤は、かんたんに解決できないことです。
せっかく葛藤させるのであれば、ランチの内容よりも、人生が変わるくらいの転機を描いたほうがおもしろくなるはずです。
これは、「早く先が読みたい」と読み手に思わせる要因にもなるのです。
プロットを練るときには、葛藤させるポイントを意識してください。
どうにもならない状況の度合いが強ければ強いほど、読み手の興味をひく展開になります。
さらには、登場人物の葛藤する心境にも興味がわくはずです。
構成を考えるときは、葛藤を盛り込むことにチャレンジしましょう。
■ 参考
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