【物書き・ライター】独立・開業前にやっておくべきこと【環境を整える】

 

書き手として独立・開業するのであれば、事前に済ませておくべきことはたくさんあります。

個人事業主になると、今までは当たり前にできると思っていたことができなくなります。

自らの環境を整えようと思っても、なかなかうまく進まないのです。

このことについて、順を追って見ていきましょう。

 

 

社会的な信用は”ゼロ”になる

ひとつ覚えておきましょう。

書き手として独立すると、社会的な信用はゼロに等しくなります。

 

ほかの事業とは違い、文筆業・執筆業は「資産」を必要としません。

初期投資する必要もなければ、在庫を抱える必要もありません。

これは確かにメリットでもありますが、考え方によってはデメリットにもなります。

資産を対外的に示すことができないということは、担保するものがない状態で戦わなければならないからです。

 

わかりやすくいえば、3000万円の借金ができる人は、3000万円のお金を貸しても問題がないと思われる人です。

借金ができない人よりも、社会的信用度は高いということです。

前述したように、「書き手」という職業は借金をする必要がありません。

事業規模という意味で考えると、スタートの段階で遅れをとっていると考えることができます。

このことを肝に銘じながら、社会的な信用はないと思っていたほうが健全でしょう。

 

 

済ませておくべきことはたくさんある

だからこそ社会的な信用を必要とする物事は、できる限り済ませておくべきです。

 

● クレジットカードの申し込み

● 引越し

● 各種ローンの編成

などなど……

 

とくに車の購入や引越しは、その後の生活だけでなく、執筆活動にも大きく影響する部分です。

取材するときの移動手段にかかるコストは、計算に入れておくべきです。

家賃の一部を経費計上するとしたら、大家さんに「事務所利用の可否」を確認しておくことも大事ですね。

 

もちろん社会的な信用を必要とするのは、金融システムにかかわる物事だけではありません。

「結婚」を視野に入れているのなら、パートナーはもちろん親の同意を得なければなりません。

その先の「出産」を見込んでいるのなら、なおさら相手を納得させる何かが必要になります。

独立が非現実的に思えるのであれば、冷静に立ち止まることも重要です。

 

書き手として独立したあとは、周囲の同意を得ながら大きな物事を動かすことが難しくなります。

優先すべきことを考えながら、包括的に人生設計を考えましょう。

 

 

赤鬼の場合

ここで少しだけ、恥ずかしい話をしましょう。

私自身、銀行のマイカーローンの審査に落ちたことがあります。

力不足だった、としか言いようがありません。

実績は3年ほど積んだつもりですが、「書き手としての収入」はやはり低かったのです。

 

別の方法で資金調達をして、最終的に車を買うことはできたのですが……

「経営者として失格」という烙印を押されたように思えて、あれから数年たった今でも当時のことを思い出すと気が滅入ってしまいます。

実は今、引越しを検討しているところですが、この経験が尾を引いてその一歩を踏み出せていません。

あなたがこのような状況に陥ることのないよう、計画的に独立・開業していただきたいと思っています。

 

もちろんこれは、開業時の実績によっても、書き手の境遇によっても変わる部分です。

ただしどんな立場の人間であっても、最初は「開業一年目」です。

私のように開業してから環境を整えると、難しい局面にぶち当たることになります。

土台を固めるためにできることは、今すぐ実践しましょう。