【文章の構成】「転」から構成を考える【書きやすくなる】
文章の構成方法は多種多様で、さまざまなセオリーがあります。
文章(文書)の種類によって変わることであり、書き手の方法論によって変わることでもあります。
今回は、もっとも代表的な「起承転結」で考えてみましょう。
とくに注目したいのは「転」の部分です。
順繰りに考えていくのでなく、「転」から構成を考えてみてはいかがでしょうか。
行き詰まりがちなのは「転」の部分
「起・承」を考え、その流れを受けながら「転」を設け、そして「結」につなげる。
これで構成して、文章がまとまるのであればそれに越したことはありません。
しかし実際は、どこかで行き詰ってしまう場合があります。
とくに筆がとまってしまうのは「転」を設けるときです。
「転」は起承転結の四段構成において命ともいえる重要な部分です。
だからこそ意気込んで書きたいところなのですが、「起・承」の流れを受けているため、自由度が低くなってしまうのです。
順番どおりに書くよりも、「転」を思いついてから考えたほうがスムーズなのです。
「落とし穴を掘る作業」に似ている
わかりやすいのは、落とし穴を掘る作業です。
なにかの比喩ではありません。
テレビ番組でよく見る、あの「落とし穴」です。
ターゲットが穴に落ちるまでの過程を、起承転結になぞらえてみましょう。
例
起 ターゲットを現場に連れてくる
承 落とし穴のほうへと誘導する
転 なにも知らないターゲットが穴に落ちる
結 まんまと引っかかったターゲットを見て笑う
要の部分は、やはり落とし穴の存在が明らかになる瞬間です。
つまり落とし穴を掘っている最中は、すでに「転」を考えていることになるのです。
この考え方を文章に応用すれば良いのです。
「転」から構成を考える
「転」が思い浮かんだのであれば、後の執筆はずいぶんと楽になります。
「起・承」では、「転」までの展開を悟られないよう誤魔化したり、わざと道筋をそらしたりと、前フリに使えばいい。
用意していた「転」で読み手を落としたあとは、そっと「結」に着地る。
これだけで文章は完成します。
エンターテインメント志向の文章には、最適な構成方法だといえます。
なかにはいくつもの「転」を重ねた変則的な文章もありますが、まずは基本のかたちを覚えることが大事です。
書き出す前、構成を考えるときには参考にしましょう。
■ 参考
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