独創的な比喩表現を作るために【共通点の発見】【読み手への問いかけ】
比喩は、読み手に物事の様子伝えるために使うのであって、比喩を使うこと自体が目的ではありません。
しかし比喩に「書き手の工夫」が必要であることは間違いなく、多くの書き手がこれを独創的に描くことを目指すでしょう。
今回は「独創的な比喩」の作り方について、基本的な考え方や気をつけるべきことをご紹介します。
きっと、物事を比喩で表現するときに役立つはずです。
共通点をあぶりだす
比喩で表現するときの状況について、具体的に考えていきましょう。
そもそも比喩とは「たとえること」を指した言葉です。
例
彼女の頬は、リンゴのように赤らんだ。
この場合は「頬」の様子を、「りんご」にたとえて表現されています。
両者を結びつけているのは、「赤」という共通点ですね。
つまり「比喩を考える」とは、異なる物事の共通点をあぶりだす作業といいかえることができるのです。
この考え方を前提として執筆していきましょう。
独創的な比喩には「発見」がある
書きなれた人であれば、前項の例文にある比喩表現は使わないでしょう。
文章としては成立していても、比喩としてはおもしろみがないからです。
この「おもしろみ」とは、いわば書き手の「発見」です。
世間一般に知られている共通点をなぞっただけでは、比喩は成功しません。
独創的な比喩表現にするには、誰も気付かなかった共通点を見つけなければならないのです。
独創的に表現するわけですから、どこかに「独創性を感じさせる要素」が必要ですね。
読み手をハッとさせたり、「たしかにそうだな」と納得させたりする発見を文章に落とし込むことで、書き手の独創性が担保されるといえます。
異なる物事を結ぶ「共通点」を、「発見」につなげるようにしましょう。
読み手に対する「問いかけ」が必要
読み手は、共通点が使い古されていれば読み流すでしょうし、あまりにも離れていれば納得しません。
その尺度を明確にすることはできませんが、独創的な比喩にするために書き手はギリギリの線を狙うはずです。
書き手が「独創的」という言葉に縛られると、読み手にとってな「単なる押し付け」になってしまう恐れがあります。
そこで便利なのは、読み手に対して問いかけるつもりで書くことです。
「意外に似ていると思いませんか?」
「こうすれば伝わるでしょう?」
「ここに共通点があるなんて知っていましたか?」
比喩でギリギリの線を狙うときには、読み手を意識するしかありません。
できるかぎり具体的に読み手の存在を意識することで、身勝手な比喩を押し付けることはなくなるでしょう。
冒頭にもあったように、比喩は読み手に物事の様子伝えるために使うものです。
比喩を独創的に表現するのであれば、説得力をもったかたちでその共通点を提示しなければなりません。
読み手の存在を強く意識して、問いかけるように書くことで、表現の振り幅をセルフチェックしながら書けるようになります。
書き手はいきすぎた表現にならないよう自制しながら、読み手をうならせる表現にチャレンジしましょう。
■ 参考
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません