「テ形接続」の使い方
「テ形接続」とは、単文と単文をあわせて複文にする用法です。
前後二つの事柄を「て」でつないで、意味を一つのかたまりとすることができます。
日本人であれば感覚的に使える基本的な用法ですが、実は様々な原則や制約が存在します。
「スタジアムに行った」と「サッカーの試合を観戦した」をつないでいます。
このとき、前におかれている文を従属節、後ろにおかれている文を主節といいます。
テ形接続を使った文の関係を紐解くと、このような構造になっています。
前の文 後ろの文
「スタジアムに行った」 + て + 「サッカーの試合を観戦した」
(従属節) (主節)
テ形接続を使うときは、従属節と主節の関係性が重要になります。
従属節と主節に書かれる事柄を、一つの主語が「コントロールできる状態同士」か、「コントロールできない状態同士」でなければならない原則があるのです。
スタジアムに行ったのも、試合を観戦したのも、主語である彼自身がコントロールした動作です。
わかりやすくするために、例文を少しひねってみましょう。
スタジアムに行くまでの交通手段が、タクシーになりました。
タクシーに乗ったのは彼なので、これは「コントロールできる状態」です。
しかしスタジアムに行ったのはタクシーであり、彼自身が運転したわけではありません。
つまりスタジアムに行った動作は、彼が「コントロールできない状態」なのです。
例文のように「コントロールできない状態」を組み合わせる場合は、読点を使って文をつなぎます。
これこそが、テ形接続がもつ制約です。
念のため、もう一度おさらいしましょう。
テ形接続を使用するときは、必ず、
「コントロールできる状態」+ て +「コントロールできる状態」
「コントロールできない状態」+ て +「コントロールできない状態」
この組み合わせになるように注意しましょう。
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