「テ形接続」の使い方

2017年8月20日

 

「テ形接続」とは、単文と単文をあわせて複文にする用法です。

前後二つの事柄を「て」でつないで、意味を一つのかたまりとすることができます。

日本人であれば感覚的に使える基本的な用法ですが、実は様々な原則や制約が存在します。

 

 

例文
 彼はスタジアムに行って、サッカーの試合を観戦した。

 

「スタジアムに行った」と「サッカーの試合を観戦した」をつないでいます。

このとき、前におかれている文を従属節、後ろにおかれている文を主節といいます。

テ形接続を使った文の関係を紐解くと、このような構造になっています。

 

 

    前の文                後ろの文  

「スタジアムに行った」 +  て  + 「サッカーの試合を観戦した」

   (従属節)               (主節)

 

 

テ形接続を使うときは、従属節と主節の関係性が重要になります。

従属節と主節に書かれる事柄を、一つの主語が「コントロールできる状態同士」か、「コントロールできない状態同士」でなければならない原則があるのです。

スタジアムに行ったのも、試合を観戦したのも、主語である彼自身がコントロールした動作です。

わかりやすくするために、例文を少しひねってみましょう。

 

 

原文
 彼はタクシーに乗って、スタジアムに行って、サッカーの試合を観戦した。

 

スタジアムに行くまでの交通手段が、タクシーになりました。

タクシーに乗ったのは彼なので、これは「コントロールできる状態」です。

しかしスタジアムに行ったのはタクシーであり、彼自身が運転したわけではありません。

つまりスタジアムに行った動作は、彼が「コントロールできない状態」なのです。

 

 

改善文
 彼はタクシーに乗ってスタジアムに行き、サッカーの試合を観戦した。

 

例文のように「コントロールできない状態」を組み合わせる場合は、読点を使って文をつなぎます。

これこそが、テ形接続がもつ制約です。

 

念のため、もう一度おさらいしましょう。

テ形接続を使用するときは、必ず、

 

「コントロールできる状態」+ て +「コントロールできる状態」

「コントロールできない状態」+ て +「コントロールできない状態」

 

この組み合わせになるように注意しましょう。

 

Posted by 赤鬼