【アイテム】椅子にはお金をかけるべき【購入する勇気】

2021年7月12日

 

書く仕事は、いつでもどこでも作業ができます。

一般的な意味での「仕入れ」はなく、「在庫」を抱える必要もありません。

ほかの業種・職種に比べれば、お金をかける仕事道具が少ないのです。

 

そのなかで異質ともいえる存在が、作業用の椅子です。

いわゆる「オフィスチェア」「ワーキングチェア」と呼ばれている製品ですね。

今回は、仕事道具としての椅子について考えていきましょう。

 

 

まともな椅子は高くつく

なにもない状態からすべての執筆環境を整えるとなれば、それなりの出費は覚悟しなければなりません。

デスク、PC、モニター、キーボード、マウスなど、新品でそろえるとしたら安く見積もっても10万円近くになってしまうでしょう。

とはいえ現実的には、すでにもっているPCを使ったり、テーブルをデスクがわりにしたりと、節約する手段はいくらでもあります。

私の場合、中古のラップトップPCのみ(たしか2万円ほど)でキャリアをスタートしました。

 

まともな作業用の椅子を買おうとすれば、上記の細々とした製品への合計金額が安く見えてしまいます。

有名メーカーの製品の場合、安くても10万円前後、高いものは20万円を超えます。

エントリークラスの製品は3万円や5万円程度で販売されているものもありますが、機能が制限されていたり、値段なりの品質だったりします。

出費の少なさが念頭にあった場合、まずは椅子の金額設定に驚くことでしょう。

 

 

安物は買わないことにした

書く仕事の魅力のひとつが、ミニマルな環境で活動できるところです。

初期の段階ではお金がなかったこともあり、5千円程度のオフィスチェアを購入しました。

しかしひどい肩こりや腰痛を感じて、長い間座ることができませんでした。

そもそもの姿勢が悪いことも原因のひとつかとは思いますが、椅子自体にもたしかな不満を感じていたのです。

 

具体的には次の点が気に入りませんでした。

● ギシギシと音が鳴る

● シリンダーのガスが抜ける

● 意味のない固定アームレスト

 

音鳴りとガス抜けに関しては、購入して間もなく発生したことを覚えています。

アームレストの活用は早い段階であきらめました。

5千円なので文句はいえませんが、この経験があって以降、極端な安物は買わないと決めました。

捨てるのもなかなか面倒なので、現在は雑務用デスクの椅子として使っています。

 

 

身体全体を支えてくれるもの

まさに安物買いの銭失いをしたわけですが、悪いことばかりではありません。

裏を返せば、作業用の椅子を優先して考えるきっかけになったといえます。

もしも今からデスク環境を構築するとしたら、まずは椅子のためにできる限りの予算を確保します。

 

理由は単純です。

物書きの仕事道具のなかでも唯一、身体全体を支えてくれるものが椅子だからです。

 

良い製品を使うことで、身体への負担を減らすことができるのはもちろん、作業効率にもダイレクトに影響します。

実体験を伴ったからこそ感じることとはいえ、この部分にお金をかけない選択肢があるのでしょうか。

最初のうちこそ勇気がいりますが、いざ買ってみると世界ががらっと変わります。

物書きとして活動するつもりであれば、思い切って買う価値はあります。

 

 

物書き、唯一の投資

物書きは、極端にいえば「無借金経営」が可能な仕事です。

もちろん細かな出費はかさんできますし、ある程度まとまったお金が必要になる局面は随所にあります。

ブロガーであれば撮影機材を購入する必要があったり、事務所を借りれば設備をそろえなければならなかったり、人を雇うようになれば銀行からの融資を検討することもあります。

ただし、これは事業規模を拡大できたあとの話です。

少なくとも初期の段階では、借り入れを必要とするような高級品は存在しないでしょう。

 

そのなかで唯一の投資先といってもいい有形資産が、作業用の椅子です。

予算は限られているでしょうから、無理をして借金をする必要はありません。

体格や用途によって適切な製品は変わってくるので、「とにかく高いものを買えばいい」というわけでもありません。

手の届く範囲でなるべく良いもの、自分にあった製品を求めるべきです。

 

製品の詳しい仕様を調べながら、複数のレビューを参考にしつつ、できれば現物に試座することをおすすめします。

今後の活動に投資するつもりで選ぶのであれば、おそらく安い買い物にはならないはずです。

満足できる製品を見つけることができた場合は、思い切って購入を決めましょう。