内容の重なりを削る
重言は書き手として避けなければならない表現です。
これを防ぐためには、言葉の選び方や使い方に対して、常に気を配る必要があります。
しかし、重言を避けるだけでは不十分です。
原文
サッカーの試合には、アディショナルタイムという猶予がある。ちょうどゲームが90分で終わるとは限らないのだ。
この文章では、同じことを示す言葉が含まれています。
「試合」と「ゲーム」ですね。
言葉の意味や指し示すものが違っていれば、書き分ける必要があります。
しかし原文にある内容からは、そのような意図は読み取れません。
つまり、短い文章のなかで、内容が重なっているのです。
改善文
サッカーの試合には、アディショナルタイムという猶予がある。ちょうど90分で終わるとは限らないのだ。
「ゲーム」を削ってみました。
内容の重なりがなくなったことで、すっきりとした文章になりましたね。
重言とは性質が違うものの、基本的な考え方は一緒です。
どちらも表現も意味が重なっていて、文章にとっては無駄な要素なのです。
内容の重なりに気づいたときは、後に置いた言葉を削るようにしましょう。
文章にまとまりが生まれ、読み手に与える印象もスマートになります。
また、前に置いた言葉を削ってしまうと、ほとんどの場合で文章が成立しません。
読み進めることで意味が通じるとしても、読み手に負担をかける文章になってしまいます。
推敲するときは、前後関係に注意しましょう。
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