書き出しの重要性

 

今回は「書き出し」について考えてみましょう。

文章において、書き手が注力すべきところは数多くあります。

そのなかでも「書き出し」は、特別な意気込みをもって臨むべき箇所です。

 

 

書き出しが「第一印象」になる

書き出しの一文を読んだだけで「これは良い文章だ」と思うこともあれば、そうでない場合もあります。

「もっと読みたい」と思うこともあれば、すぐに目を離したくなることだってあります。

これは、初対面の人に対する第一印象に似ています。

 

つまり、書き出しが担うもっとも大きな役割は、第一印象を形成することです。

書き出しが悪いからといって、その後の文章の良し悪しが決まるわけではありません。

しかし、一度でも悪い印象を与えてしまったら修復は困難です。

逆に、良い印象を与えておけば、いくらでもリカバリーできるでしょう。

 

 

「続きを読みたい」と思わせること

第一印象をもとに考えれば、「魅力的な異性に出会った瞬間」がわかりやすいでしょう。

とりわけ、印象が良くなければ「好きじゃない」や「たいして興味がない」といった心持ちになり、そこからは何も起こらないでしょう。

しかし、言葉にできないような魅力を感じたのであれば話は別です。

「この人のことを知りたい」や「もっと関わっていきたい」など、そこに心理的な能動性が芽生えるはずです。

 

これを文章で再現できるのが、書き出しのタイミングというわけですね。

書き出しによって読み手に心理的な能動性が芽生えれば、「続きを読みたい」と思わせることができるでしょう。

これこそが、書き出しに注力する大きな目的のひとつですね。

 

 

「戦略的に書く」ことが必要

自分のなかに打ち寄せてきたインスピレーションの波を、淀みなく表現することは大事です。

しかし書き出しに関していえば、書き手の戦略をもって書いたほうが巧く仕上がるでしょう。

 

前項にあったように「続きを読みたい」と思わせるのであれば、思いのまま書くことはできないはずです。

そのなかで「時間や場所を規定したい」や「世界観を共有するためのフックを設けたい」など、具体的な要望を表現することだってあるでしょう。

いずれの場合も、目的に応じた工夫が必要であり、戦略的に書かなければならないのです。

 

ここまでご紹介したとおり、書き出しは執筆において高いウェイトを占めます。

書き手は「読み手に対してどのように作用するか」を見据えながら、読み手の興味をひく書き出しを考えましょう。

 

■ 参考

 

Posted by 赤鬼