助詞「が」について
今回は助詞「が」について考えていきましょう。
よく使われる助詞のひとつですが、この助詞が活躍する場面はたった2つしかありません。
① 主語を示すとき 例 : あの山が富士山です。
② 逆説を示すとき 例 : 頑張ったが、うまくいかなかった。
もっとも多く使われるのは、①のような場面でしょう。
これが出来なければ文章が書けない、といっても過言ではありません。
②は逆説なので、相反することをひとまとまりの文で伝えたいときに使います。
「しかし」や「けれど」のような接続詞を使うことなく、コンパクトに表現できます。
こうしてみると、基本となる使い方はとてもシンプルです。
しかし当然ながら、注意すべきポイントはあります。
私は推理小説が好きですが、近頃は忙しいのでじっくり読む時間がありません。
この文では、主語を示す「が」と逆説を示す「が」を近いところにおいています。
特に前半の「推理小説が」と「好きですが」を見ると、隣り合わせになっていることがわかります。
短い間に連続して同じ音が出てくると、文章に小さな違和感をもたらします。
さっそく改善してみましょう。
私は推理小説が好きです。しかし、近頃は忙しいのでじっくり読む時間がありません。
逆説を示す「が」を、接続詞に置きかえてみました。
このように文を区切れば、読み手は「息つぎ」ができ、スラスラと読めるのです。
どうしても逆説を示す「が」を使いたいのであれば、このように書いてみてはいかがでしょうか。
私は推理小説が好きです。以前は暇さえあれば読んでいたのですが、近頃は忙しいので読む時間がありません。
少し文言を足して、逆説を示す「が」の登場するタイミングをずらしました。
ほぼ等間隔になり、バランスよくまとまりましたね。
どのような用法でも、使いすぎには注意しなければなりません。
とくに「が」のような馴染みのある格助詞は、深く考えることなく使ってしまう場合が多いです。
連続した音や表現を避けるのはもちろん、全体のバランスを見ながら意識して使うことも重要です。
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