「的・性・化」を避ける
「的・性・化」を使った言葉文章は、伝えたいことがあいまいになります。
具体例を見ながら、どのようにして避ければ良いのかを考えていきましょう。
原文
食品業界でもっとも大事な要素は、信頼性です。
含有成分や原産地が可視化されていなければ、消費者的に不安になってしまいます。
一見すると普通の文章に思えますが、これほどまでに「的・性・化」が使われています。
伝えたいことは読み取れるのですが、意味がぼやけている印象を受けます。
日常会話では何のひっかかりもなく受け入れられるとしても、文章となればそうはいきません。
実際に書きかえてみましょう。
改善文
食品業界でもっとも大事な要素は、信頼を得ることです。
含有成分や原産地が明記されていなければ、消費者として不安になってしまいます。
「的・性・化」が乱用されていた原文に比べると、ぼやけていた意味がくっきりと浮き上がりました。
しかし、書き換えしたあとの文章には、特別な技法は何も使っていません。
あいまいな表現を避けるといっても、難しく考える必要はないのです。
「信頼性」 → 信頼を得ること
「可視化」 → 明記
「消費者的」 → 消費者として
もしも「的・性・化」に頼らなければならないタイミングがきたら、本当に伝えたいことを思い返してみましょう。
浮かんだ言葉に固執せず、どうすれば明確に伝わるかを考えるのです。
ほんの少しの工夫ができるかどうかが、良い文章を書くための秘訣です。
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