早い段階で主旨を示す
文章の組み立てに問題があると、最後まで読まなければ意味が通じなくなることがあります。
そのような文章では、読み手に大きな負担をかけてしまいます。
バーのカウンターに座っていると、突然「結婚生活がうまくいかず、離婚しそうだ」という話をしてきた。
女としての意見を織り交ぜながら、できる限りのアドバイスをした。
話を終えると、このあとの予定について尋ねられた。
彼の話しぶりから察するに、おそらくどこかに誘うつもりなのだろう。
なるほど、これでは上手くいくはずがない、と思った。
見知らぬ男性に声をかけられた、という出来事だ。
最初の行を読んだ時点では、「誰に話かけられたのか」を読み取ることができません。
それが判明するのは、最後の行ですね。
つまり、すべての文章を読み終えるまで、読み手の疑問は解決しないのです。
たとえ最後まで読んでもらったとしても、すでに読み手は疲れきっているでしょう。
原因は、早い段階で主旨を示していないところにあります。
バーのカウンターに座っていると、見知らぬ男性がとなりの席についた。
彼は突然、「結婚生活がうまくいかず、離婚しそうだ」という話をしてきた。
女としての意見を織り交ぜながら、できる限りのアドバイスをした。
話を終えると、このあとの予定について尋ねられた。
彼の話しぶりから察するに、おそらくどこかに誘うつもりなのだろう。
なるほど、これでは上手くいくはずがない、と思った。
例に挙げた文章は、「見知らぬ男性に声をかけられたときの話」ですね。
内容の核となる部分を、最後の行まで引っ張る必要はありません。
改善文のように、なるべく早い段階で読み手に示すべきなのです。
そうでないと、書き手と読み手の足並みがそろいません。
主旨を提示しない時間が長ければ長いほど、読み手は「なんの話?」「何が言いたいの?」といった疑問をもったまま、読み進めることになります。
いわば、読み手を置き去りにしてしまうのです。
このような状況を防ぐためにも、なるべく早い段階で主旨を示すことが重要です。
文章の組み立てには、正解がありません。
起承転結や5W1Hといった、さまざまな要素が関わってきて、頭を悩ませることもあるでしょう。
ただし今回の内容をみてわかるとおり、主旨の置きどころはある程度限定されています。
組み立てに迷ったときは、なるべく早い段階にもってきましょう。
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