常用漢字を使う
見慣れない漢字を使った文章は読みづらいものです。
文章を書くときには一般的に使われている漢字、つまり常用漢字を使うべきなのです。
もしも常用漢字以外の表記(表外漢字)を使うと、どのような文章になるのでしょうか。
原文
殆どの人が厭だと謂った。
すんなり読める人はどのくらいいるのでしょう。
たとえ読めたとしても「スムーズに」とはいかないはずですね。
常用漢字を使っていない文章は、読み手に対して引っかかりを与えてしまうのです。
原文を書きなおしてみましょう。
改善文
ほとんどの人が嫌だと言った。
改善文で使った常用漢字は、「嫌」や「言」です。
「殆ど」は常用漢字に対応する表記がなかったため、ひらがなで「ほとんど」と書きました。
原文と比べてみましょう。
引っかかりを感じさせることなく、スムーズに読める文章になりましたね。
そもそも、読み手のことを考えているならば、あえて読みづらい漢字を使おうとは思わないはずですね。
なぜ、あえて難しい書き方をしてしまうのでしょうか。
原因のひとつとして挙げられるのは、予測変換機能です。
パソコンやスマートフォンの予測変換機能では、常用漢字を使っていない表現が候補として出てくるのです。
書き手自身はその読み方や意味を理解しているため、ついついEnterキーを押してしまうのでしょう。
結果として、読み手にとってわかりづらい表記になってしまうのです。
あるいは、「難しい漢字を使ったほうが知的な文章になるだろう」といった、書き手の見栄も含まれるのかもしれませんね。
わかりづらい文章は、書き手と読み手、双方にとってマイナスにしか作用しません。
この心がまえからもわかるように、伝わる文章を書くような工夫や気遣いが必要です。
執筆中はもちろん、文章を添削するときにも、しっかり常用漢字を使って書けているかを確認しましょう。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません