中点で並列させる
今回は、中点(なかてん)について考えます。
「中黒(なかぐろ)」や「黒丸(くろまる)」、「ぽつ」とも呼ばれていて、メジャーな約物のひとつです。
しかし、いざとなれば、その使い方に迷ってしまう人も多いのではないでしょうか。
この記事では単語を並列させる場合に焦点をあてて、ご紹介します。
文章として間違っている箇所は見当たりませんが、今回のテーマにしたがって中点を使って書き直してみましょう。
並べるべき要素は、「ブラジル」「イタリア」「ドイツ」ですね。
「4回以上優勝した経験を持つ」という前提があるため、これらは同列に並べることができます。
さっそくチャレンジしましょう。
中点「・」を使って書き直すと、このようになります。
原文では「と」を二つ使って並べていましたね。
近い位置で同じ音が連続するとクドい印象を受けてしまう読み手も多いため、今回の例文では中点を使った表記のほうがわかりやすいかもしれません。
しかし、中点を使うときに注意しなければならないポイントがあります。
ずばり、並列させるのは単語のみということ。
もちろん並列というくらいですから、並べる単語同士が対等な存在でなければなりません。
たとえば、次のような使い方は間違いです。
やはり、このような表記はどこか不自然ですね。
「ブラジルが5回」「イタリアとドイツは4回」は単語でない上に、それぞれが対等ではありません。
これらは並列できない要素のため、中点が使えないのです。
この場合は、読点を使って並べます。
違和感なく読める文章になりましたね。
このように、対等な単語を並べるときのみ、中点を使うようにしましょう。
どのような文章においても、よく目にする約物のひとつが中点ですね。
私たちにとって身近な存在であるからこそ、その使い方についてあらためて考える必要があります。
書き手として、このような約物を正しく使うことで、より良い文章を書けるようにしましょう。
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