「説明」の基本的な考え方

2019年12月31日

 

どのような文章でも、説明をしなければならない局面を迎えます。

このときわかりやすく説明できるどうかは、書き手の手腕にかかっているといえるでしょう。

今回は、説明の基本的な考え方に焦点をしぼってご紹介します。

 

 

原文

大学生の間で一人旅が流行ってるとテレビで報道されていた。

まとまった休日を使って、みんなこぞって旅するようだ。

というのも、企業のサポートサービスを利用するため、旅に対するハードルが下がっているとのこと。

あと20年若ければ、私もこのサービスを使って一人旅したかった。

 

もちろん、これは良くない例です。

ほとんどの内容は、情報を右から左へ横流しにして読み手に知らせているだけです。

具体性がなく、どこか浮ついてみえますね。

改善しましょう。

 

 

改善文

大学生の間で、一人旅が流行ってるらしい。

春休みや夏休みなど、まとまった休日を使って旅するようだ。

というのも、一人旅のマネージメントを補助する企業があるらしい。

これによって、若者の旅に対するハードルが下がっているのも要因のひとつだ。

あと20年若ければ、私もこのサービスを使って一人旅したかった。

 

ここで何が行われたのか。

結論からいえば、事実を整理し、再構築したのです。

説明がわかりやすくなるかどうかは、この作業によって決まります。

 

例文の場合、「テレビで観た」という事実を伝える必要はありません。

まずはその部分を削りました。

さらには「まとまった休日」や「企業のサポートサービス」の内容をより具体的にして、伝えるべきことを伝えられるように改善しました。

加えて、このような説明文では「らしい」や「ようだ」という伝聞表現が多くなります。

言い切れるところは、積極的に言い切るように心がけるが大事です。

 

これらの内容は、事実を整理し、再構築する作業があってこそのものです。

知らせることと、説明することはまったく違うのです。

 

既存の情報をただ知らせるだけでは、その文章に価値は生まれません。

情報を一度噛み砕き、自分のものとして扱うことが必要です。

すると、そこに具体性が生まれ、伝えるべき要点を絞ることができるのです。

「なんとなく」で伝えようとせず、自分なりの解釈をもってから説明できるようになりましょう。

 

 

Posted by 赤鬼