見出し作りの考え方
見出しに使う文言は、書き手の悩みどころですね。
今回は、本文で使われている言葉から作り出す方法をご紹介します。
完成までは、たった3ステップです。
さまざまな作り方がある中でも、もっともかんたんな方法です。
幼馴染に10万円を貸した。
「生活に困っている」とのことだったので、あげるつもりで渡した。
返済予定日から半年が過ぎ、未だに返ってきていない。
金はどうでもいいが、これまで連絡のひとつもないのはさすがに気に障る。
彼に対する信用をなくした今、「金の切れ目が縁の切れ目」という言葉を実感している。
私たちが失ったのは、お金よりも大事なものだった。
この短い文章に、見出しをつけてみましょう。
1. キーワードを抽出する
はじめに、文章の中からキーワードを抜き出します。
● 幼馴染に10万円を貸した
● 未だに返ってきていない
● 彼に対する信用をなくした
● 「金の切れ目が縁の切れ目」
● お金よりも大事なもの
内容の核となる文言を、ざっと抜き出してみました。
使えそうなものもいくつがありますね。
しかし、ここであせってはいけません。
作業をすすめていくことで、より良い見出しが生まれます。
2. 選定する
次の作業は、選定です。
選ぶときのポイントは、いくつかあります。
① 一言で内容を表しているもの
当然ながら、まったく無関係な見出しを付けることができません。
書き手がもっとも伝えたい内容を、前面に押し出せるものが良いでしょう。
① ありきたりではないもの
たとえば「金の切れ目が縁の切れ目」は、一言で本文の内容を表すことができています。
しかしありきたりすぎて、工夫の余地がありません。
このように、手垢のついた文言は使いづらいため、できるだけ避けるべきです。
③ 読み手の目を引く文言
ありきたりなものでなく、ついつい読みたくなるような見出しが理想的です。
読み手の興味をそそるようなキーワードがあれば、それを活用しましょう。
今回はお金に関わるテーマであるため、読み手の目を引きやすい傾向にありますね。
これらすべてを満たしているのがベストですが、必ずしも上手くいくわけではありません。
ベストではなく、ベターな文言を選定することがこの作業の目的です。
選んだ文言を軸にして、次の作業でブラッシュアップしましょう。
3. 改良する
より良い見出しにするため、選定した文言に少し手を加えます。
今回は3つの文言を選び、それぞれを改良して見出しを作ってみました。
● お金よりも大事なもの
⇒ 「失ったのは、お金よりも大事なもの」
「お金よりも大事なもの」だけでは、「愛」や「夢」といったポジティブなものを指しているかもしれません。
「失ったのは」までをタイトルに含めれば、内容との整合性がとれます。
なおかつ、読み手は「何を失ったのか」を知りたがるため、本文へ誘いやすくなるのです。
このような見出しを作ることができれば、合格点でしょう。
● 彼に対する信用をなくした
⇒ 「なくしたのはお金?信用?それとも……」
次は、ちょっとしたテクニックを使います。
イソップ寓話の「金の斧」を彷彿させる書き方です。
なにかをモジった見出しも、ユーモアがあって読み手は目を通しやすくなります。
また、約物が効果的に使われているのもポイントです。
読み手を誘うため、単語の「?」の連続でまくし立ててから、「……」で含みをもたせます。
こうした見出しの書き方も、バリエーションのひとつとして備えておくといいでしょう。
● 幼馴染に10万円を貸した
⇒ 「幼馴染に10万円を貸した結果wwwww」
筆致とマッチしていないので、これは番外編と考えてください。
インターネット上でよく見られるタイトルですね。
品格がないように感じますが、これが意外に効果的だったりもします。
結果を知りたがる心理に作用するため、読まれる確率は上がります。
最後に、言い訳をさせてもらいます。
文章の書き方と同様、見出し作りに明確な答えはありません。
セオリーや考え方、作り方は数多くあります。
もちろん、作成した見出しに対する印象も、人によって異なります。
今回ご紹介したのは、初心者向けの方法であり、基本となる考え方の部分です。
作り方の右も左もわからない人の参考になればと思います。
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