決裁文書の書きかえについて思うこと
今回は、森友学園にかかわる文書の問題について取り上げます。
この記事を書くにあたって、個人の主義・思想はなるべく排除します。
事実をベースに、文書の在り方や今後の動向について考察していきます。
“森友学園問題” と呼べなくなった
連日の報道では、森友学園にまつわる問題がたびたびクローズアップされていますね。
必ずしも悪い意味ではないはずの「忖度」という言葉。
これが独り歩きし、日を追うごとに論点は複雑になっています。
しかし、新たな事実が問題の性質をガラッと変えてしまいました。
そう、決裁文書の書きかえです。
これにより、”森友学園問題”とまとめられないような、大変な事態になってしまいました。
決して誇張ではなく、国家としての根幹を揺るがしかねない問題へと変わったのです。
決済文書とは
まずは、決裁文書についてあらためて考えなければなりません。
決裁文書に書かれている内容はさまざまで、「お金」や「物」についてはもちろん、場合によっては「人」に関することも含まれています。
その内容を、文書作成者から役職者まで、さまざまな立場の人が確認します。
承認の証拠として必要なのが押印で、この行為がいわゆる「決裁」となります。
こうした手続きによって作られた押印済みの文書が、決裁文書になるわけですね。
少々、面倒に感じるかもしれません。
しかし正当性が保証され、集団の意思決定を証明するには、このようなプロセスを経ることが重要なのです。
絶対にやってはいけないこと
ここまで説明すれば、ピンとくるはずです。
押印済みの文書を書きかえてしまえば、決裁文書として成立しません。
内容が、押印した時点とは別物になって変わってるのですから当然です。
今回問題となっているのは、書きかえを行ったのが行政だということ。
行政の文書、つまり「公文書」ですから、決裁後にこれを書きかえたとなると……
極めて、犯罪性の高い行為となります。
※ 一部報道では、刑法での立件が難しいとのこと。現時点での状況を踏まえて、具体的な法適用については言及せず、犯罪であるかどうかも断言しません。
民間企業ですら厳格に守っているはずの、当たり前のこと。
それを行政がやってしまったのですから大事件なのです。
しかも、国会での答弁との整合性をとるために。
これこそが、日本国の根幹を揺るがす要因となるのです。
崩れる三権分立の構図
そもそも、なぜ書きかえが行われたのでしょう。
現時点で得られる情報によると、前述したように、国会での答弁との整合性をとるためでした。
言いかえれば、立法府での都合に合わせて行政が事実を捻じ曲げたのです。
これが許されるとなると、「行政」「立法」「司法」の三権分立の構図が崩壊してしまいます。
例として、「政府の都合によって裁判の判決が変わってしまった」と考えてみましょう。
「犯罪者が裁かれない」とすると、その重大さがわかるはずです。
多少の飛躍はあるにせよ、原理的に考えれば、決裁文書の書きかえはそれに相当すると考えて良いでしょう。
国民を愚弄する行為であることに間違いはないのですから。
だからこそ、法治国家、民主主義国家としての日本の在り方が揺らいでしまうレベルの事件だと考えているのです。
あくまで、この記事では文書にフォーカスするため、細かな事情は省きます。
今確認できる事実から導き出されるのは、その手で文書を書きかえた財務省の官僚は、絶対に罰せられなければならないということ。
国や法律は違えど、公文書の書きかえアメリカ大統領ですら終身刑になるほどの犯罪です。
ここで処罰がなければ、また同じことが繰り返されるでしょう。
最後に
森友学園にまつわる事案。
文書に関連する問題としては、かつてないほど大規模なものです。
もちろん『文章の鬼』としては、かねてから注目していました。
何度も取り上げようとしましたが、野党の追求を見聞きすると、どうにも「倒閣意識」が色濃く出ているように思えたのです。
メインとなる要素が文書ではないため、記事として書くべきではないと判断しました。。
しかしここまでの内容を読んでいただければわかるとおり、問題の本質は大きく変わってしまったのです。
実際に書きかえが行われた現状がある中では、それぞれの立場、主義・思想を超え、国としての在り方を守っていかなければなりません。
だからこそ、徹底的な捜査を経た上で、実際に文書に手を加えた官僚は処罰されるべきです。
物騒に聞こえるかもしれませんが、「処罰されなかった前例」を作ってはいけないほど大きな事件であることは明白なのですから。
書き手として活躍するみなさんだからこそ、文書に対する関心やこだわりは強いはずです。
政府側の責任も近いうち明らかになるでしょうし、倒閣目的のばかばかしい政権批判をしている場合ではありません。
問題解決はもちろん、再発防止に向かうよう、もっとこの問題に焦点を当てましょう。
世論に良き変化を加えるのは、書き手のみなさん次第なのです。
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