日常にある「余分」を見逃さない
文章には、「伝えるべきこと」と「伝えるべきではないこと」があります。
どのような内容を組み込むかは、文章によって変わってきます。
たとえば「交通事故が起きた事実」を伝えるとします。
私たちが普段から目にしている、新聞やネットニュースの記事で考えてみましょう。
このような媒体で書くならば、情報を詳細に組み込まなければなりませんね。
「何月何日」
「○○県△△市の国道□□号線沿いで」
「××歳の男性が」
「信号を無視した乗用車に」
「はねられて」
「重傷を負った」
このように、5W1Hにならったかたちで伝える必要があります。
しかしながら、これはあくまで客観的な情報であり、必要最低限の「伝えるべきこと」です。
交通事故にあった男性が、どのような人生を歩んできたのか。
事故にあって、何が変わったのか。
今後、どのように生きていくつもりなのか。
これを新聞に書くとなると、時間も枠も足りなくなるでしょう。
新聞やネットニュースは事実を伝えることが最優先であり、こうした主観的な情報は余分なのです。
小説であれば、この「余分」を伝えられます。
むしろ、伝えなければなりません。
ありのままの事実を伝えたいのであれば、そのスキルが求められる媒体で執筆するべきです。
小説では、事実の裏にあるさまざまなドラマを組み込まなければなりません。
それによって、読み手の心は動かされるのです。
日常の文章では、「余分」とされる要素。
これを見逃さないようにしましょう。
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