場面の断捨離
文章を書きおわったときには、「推敲」や「校正」といった作業を行いますね。
書き手のみなさんは、余計な内容を削ったり、表現を書きかえたりと、読みやすくなるように何度も練り直していることでしょう。
実用文だけでなく、小説を書く場合も同様ですね。
確認の意味も込めながら、練り直して、より良い表現に書きかえます。
しかし今回は文章ではなく、「場面」にフォーカスしてご紹介します。
とくに、場面を削ることに重点をおきましょう。
結論からいえば、不要な場面はどんどん削ることが重要です。
この場合、文章を削る作業とは事情が異なります。
場面をひとつ削るとすれば、構成そのものに影響を及ぼします。
たとえば、「A⇒B⇒C」と場面が展開してくとしましょう。
「B」を削ったとすると、「A⇒C」という流れになるはずです。
物語を進める上で、これが自然に展開できるのであれば問題はありません。
しかし多くの場合、「A⇒B’⇒C」というように、当初書いたものとは異なる場面を挿入しなければならないでしょう。
一度でも小説を書いた経験があれば、これがとても大変な作業であるとわかるはずです。
何千文字、場合によっては何万文字もかけて書いた場面を削るのですから、書き手としては勇気と覚悟が必要なのです。
たとえそうだったとしても、その場面が不要であれば書く意味はありません。
心を鬼にして、涙を飲みながら削らなければならないのです。
不要な場面を削るときの判断基準は、とてもシンプルです。
その場面が、物語を支えているかどうかを見れば良いのです。
こちらでご紹介した「場面の意義」を考えながら、その場面が物語にどのように作用しているかを見れば良いのです。
どの伏線にもなっていない、なくても問題ない、伝えたいメッセージが何もない……
不純な要素が紛れこんでしまえば、物語はドロドロと濁っていきます。
そうした場面を読ませられる側としては、たまったもんじゃありません。
すべての場面は、物語に対して存在意義をもつべきです。
不要な場面は、思い切って断捨離しましょう。
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