ツァイガルニク効果を使う

2019年4月16日

 

書き手として活動していると、つながりのある文章を執筆することがあります。

 

わかりやすい例は、小説の執筆です。

原稿用紙百枚を超えるような文章をたった一日で書き終えるなど、さすがに現実的ではありませんね。

短くても数ヶ月、長ければ数年にわたって完成させるのが自然な取り組み方でしょう。

 

雑誌やウェブ媒体での連載、ブログの運営にも同じことがいえます。

「ひとまとまりの文章が連続してつながっていく」ことに意味をもつ執筆作業は、多くの書き手が経験していることなのです。

 

 

同様に、ひとまとまりの文章を書き終えたタイミングで、集中力が失われた経験もあるはずです。

ごっそりと意欲を削ぎとられたかのように、デスクに向かう足取りが重くなり、執筆以外のことに意識が向いてしまうような状況ですね。

 

このような状況を防ぎ、執筆に対するモチベーションを保つためのコツがあります。

それが、ツァイガルニク効果です。

 

ツァイガルニク効果(ツァイガルニクこうか、Zeigarnik effect)は、人は達成できなかった事柄や中断している事柄のほうを、達成できた事柄よりもよく覚えているという現象。

ツァイガルニック効果、ゼイガルニク効果、ゼイガルニック効果とも表記する。

Wikipedia – ツァイガルニク効果

 

このツァイガルニク効果を、執筆に活用するのです。

 

仰々しいネーミングですが、難しいことはありません。

かんたんにいえば、「キリの良いところまで頑張る」をやめれば良いのです。

 

具体的に考えてみましょう。

 

 

良くない例

● この章を書き終えたら今日はおしまい

● この原稿を完成させたら外出する

● この記事を更新したら休憩する

 

このように、区切りの良いところで作業を止めてはいけません。

 

書き終えたタイミングに区切りをつけることで、文章は暫定的に完成したことになります。

書き手は「一定の達成感」を得られるものの、つながりのある文章であれば今後も執筆は続くはずですね。

ここで得られた達成感は、あくまで幻想のようなものです。

書き手自身がまんまと騙されてしまえば、継続すべき執筆の手がとまることにつながります。

 

作業を中断するときは、ツァイガルニク効果を活用するよう心がけましょう。

意図的に、キリの良くないタイミングで区切るのです。

 

 

ツァイガルニク効果を活用した例

● この章を書き終えたら今日はおしまい

⇒ 次の章の書き出しを完成させるまで頑張る

● この原稿を完成させたら外出する

⇒ 次の原稿の概要を書き終えるまで頑張る

● この記事を更新したら休憩する

⇒ 次の記事の構成が終わるまで頑張る

 

次の内容に手をつけたところで区切れば、中途半端なままで手を放すことになりますね。

あえてモヤモヤとした状況を作ることで、完成途中の内容が強く頭に残ります。

書き手は、続きを書かずにはいられなくなるでしょう。

 

 

人間ですから、書く意欲にはバラつきがあります。

日ごろからツァイガルニク効果を意識して作業をマネージメントすれば、継続した執筆ができるようになります。

つまり、書く習慣をつけることになるのです。

 

中途半端な状態を作り続けることは、次の作業を駆動させるきっかけとなります。

モチベーションが失われた経験や、実際に挫折した経験のある書き手は、中断するときの区切り方を見直してみましょう。

 

 

コラム

Posted by 赤鬼