【ビジネスメール】一往復半の原則

2019年4月8日

 

ビジネスメールを作成するとき、思いついたままの内容を書いてはいけません。

「メールがどのくらいで終わるか」を考えながら、作成する必要があります。

 

例をみて考えましょう。

作成者である自分が終わりの見通しを立てていなかった場合、次のような状況になりかねません。

 

 

原文

自分 : 塗装業者の選定について、近日中に打ち合わせしたいと思っています。

相手 : 日時はいつにしましょうか?

自分 : 明日はいかがでしょう?

相手 : 明日の午前中であれば可能です。

自分 : 午前中は会議が入っていますので、明後日の午後はいかがでしょうか?

相手 : 明後日の午後14時であれば都合がつきます。

自分 : それでは、明後日の14時によろしくお願いします。

相手 : よろしくお願いいたします。

 

ここでは、四往復ものやりとりが行われました。

ビジネスメールとは思えないほどじれったく、とても回りくどい印象を受けてしまいますね。

明らかに効率が悪く、無駄なやりとりといえるでしょう。

極端な例ではあるものの、まったくないとは言い切れないのが現実です。

 

 

さて、ここからが重要なポイントです。

ビジネスメールのやりとりとして理想的なのは、ひとつの要件につき一往復半で終わることです。

これを原則として考えていきます。

 

先に挙げた例で、もっとも悪い箇所は「近日中に打ち合わせしたいと思っています」という切り口です。

この無責任な文言が、終わりを見据えていなかったことを表していて、メールのやりとりを無駄に引き伸ばす原因となっています。

ここに工夫を加えるだけで、やりとりはもっとコンパクトになります。

 

 

改善文

自分 : 塗装業者選定の件です。

 下記のいずれかの日時にて、打ち合わせを予定しています。

 ・11月16日(火) 午後14時

 ・11月17日(水) 午後14時

 ・11月19日(金) 午前10時

 ご都合の良い日時を、お知らせいただければ幸いです。

相手 : 「11月17日(水)午後14時」 こちらの日時でお願いいたします。

自分 : 承知しました。よろしくお願いいたします。

 

見てわかるとおり、たった一往復半で終わる内容ですね。

この場合、一通目のメールの内容を、相手に選択肢を与えるかたちで書いています。

 

作成者が相手にコミュニケーションの方向性をゆだねるのではなく、返信しやすい内容を投げかけているのです。

相手からすれば、こちらのほうが返信しやすく、決めるべき内容も判断しやすくなりますね。

 

もちろん、原則として「一往復半」としましたが、必ずこれに収まるように書く必要はありません。

内容によっては何往復もかけてやりとりしなければならない場合もあるため、これはあくまで目安として考えてください。

 

ただし、やりとりをコンパクトにまとめようとする姿勢は常にもっておくべきです。

長々としたメールのラリーは、お互いにとって負担になります。

「返信は一往復半」を参考にして、終わりの見通しを立てながら内容を考えましょう。

 

■ 参考