価値観を明確にするための「ルール」を定める
小説を書くとき、作品の「テーマ」や「哲学」について考えるかと思います。
しかし、これらはとても漠然とした概念であり、書いている自分でも何がなんだかわからなくなることもあるでしょう。
今回は、「テーマ」や「哲学」のような、作品に通低する価値観を明確にする方法をご紹介します。
結論からいえば、「ルール」を決めることです。
書き手は、執筆する上での決め事を設けましょう。
これを守りながら書いていくと、抽象的な概念が浮かび上がってきます。
たとえば書き手が、その作品を「前向きな物語」として描きたかったとします。
純文学作品であれば「ネガティブな言葉は使わない」であったり、エンタメ作品であれば「登場人物を殺さない」であったりと、作品に見合ったルールを決めます。
書き手自身が設けたルールにそって書いていくと、「前向きな空気感」が自然と漂ってくるはずです。
これが作品の価値観になり、「テーマ」や「哲学」につながっていくわけです。
実のところ、書き手が決めるルールは “意図” や “こだわり” がなくても成立します。
つまり、ルールだけを先行して決めることも有効なのです。
恋愛小説を書くにあたって、「主人公はヒロインの身体に触れられない」というルールを定めたとしましょう。
書き手が描くことのできる内容は限定され、作品に対するアプローチはまったく変わってきますね。
すると同時に、物語の概念が形成されていきます。
仮にその作品が「徹底してプラトニックな純愛物語」になったとしたら、それこそが作品のアイデンティティになるのです。
あいまいな概念をそのまま描こうとすると、なかなかうまくいきません。
そこで筆がとまってしまう前に、さまざまな方法を試してみましょう。
今回ご紹介した内容は、有効な手段のひとつです。
作品に通呈する価値観を明確にするために、書き手独自のルールを決めてみましょう。
■ 参考
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