「動詞」に重きをおいて書く
「文章のテーマ」として扱われるのは、大半が名詞です。
書き手はこの状況を冷静に見つめるべきです
これに甘んじていると、知らぬ間に平板な文章を書いてしまう恐れがあります。
文章を躍動させるためには、名詞ではなく、動詞に重きをおくことが重要なのです。
順を追って考えていきましょう。
文章は「名詞」が中心になりがち
「この”映画”について書こう」と思うことはあっても、「”鑑賞”について書こう」と思うことはなかなかありません。
実際に執筆する内容においても同様です。
動詞や形容詞に悩んでしまう状況はあっても、名詞に悩むことはそうそうないでしょう。
そもそも名詞は、すでに規定されているものです。
「映画」は「映画」であって、それ以外の何者でもありません。
「ムービー」や「フィルム」、「シネマ」や「キネマ」など、表現に多少の幅はあっても、やはりそれは「映画」のことを指しています。
書き手としは、文章に盛り込むときに抵抗なく使えてしまうのです。
動詞は”考え”がなければ使えない
一方で動詞は、名詞を受けた流れのまま使われがちです。
例
● 映画を”観る”
● 映画に”行く”
● 映画を”鑑賞する”
もちろん、連語(コロケーション)のマッチングをとることは重要です。
しかし「できる書き手」はここで満足しません。
動詞の選び方や書き方で、巧く変化を加えます。
例
● 映画を”楽しむ”
● 映画に”魅入る”
● 映画を”見定める”
書き手の明確な意図がなければ、このような文章にはなり得ません。
動詞の在り方をしっかり考えながら書くことで、ほかの文章とは違った仕上がりになるのです。
動詞によって文章が豊かになる
前項の例をみると、文章が動き出していることがわかるはずです。
「楽しむ」は、映画そのものが好きで、味わうように鑑賞するニュアンスがでますね。
「見定める」は評価する立場であることが感じとれますし、「魅入る」からは目が離せなくなる印象を受けます。
このように、文章を豊かにするには、動詞がポイントになるのです。
動詞に変化をつけると、名詞がさまざまな表情を見せるようになります。
書き手の立場からしても、動詞に重きをおくことで「少ない文字数で多くの情報を盛り込める」ようになります。
もちろん、読み手に与える印象も大きく変わってくるでしょう。
名詞の流れを受けるまま動詞を選んでしまうと、当たり障りのない文章になりがちです。
動詞に重きをおき、選び方や書き方を工夫しながら、豊かな文章を書きましょう。
■ 参考
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