【作品の印象】「つまらない」から「おもしろい」へ【試行錯誤の方向性】
小説を執筆していると、自分の作品に対して「つまらない」と感じることがあります。
作品の印象を「おもしろい」に変えるべく、書き手はあらゆる角度から試行錯誤するでしょう。
今回はその「試行錯誤の方向性」について考えていきます。
より良い作品にするためのヒントになれば幸いです。
原因を探ることが大事
どこかに「作品をつまらなくさせている原因」があるはずです。
まず書き手は、その原因を探ってみましょう。
このとき「読み手の目線」になろうと努力する必要はありません。
「読み手にどのように評価されるか」は、作品が世に出た結果としてもたらされるものです。
たとえ書き手が突き詰めたとしても、はっきりとした答えを見出すことができないのです。
あくまでも書き手の目線で、体系的かつ理性的に、作品を見直しましょう。
プロット構造に手を加えるのは安易
作品が「つまらない」と感じたとき、書き手はプロットに手を加えがちです。
既存の場面を掘り下げたり、新規の展開を増やしたりと、構造を変えることで「おもしろい物語」を一直線に目指します。
もちろん最初の段階では、まだアイディアが熟していないことも考えられます。
書き手の「柔軟な対応」は必須ですから、このアプローチは有効に作用するでしょう。
しかし、修正に迷いが生じるのは「書き始めたとき」ではありません。
「書き上げ間近」や「書き終えたあと」のタイミングです。
すでに作品がある程度の規模感をもっていれば、その段階で小説としてまとまっている(と見込める)わけです。
そこで「つまらない」と感じた場合、プロット以外の要素が原因となっている可能性があります。
着目すべきは”キャラクター”の描き方
プロットに手を加えても、改善される保証はありません。
大幅な構造変更を余儀なくされたり、作品の雰囲気が変容したりと、書き手にとって都合の悪いことが数多く出てきます。
緻密な「再計算」ができなければ、単に「改悪」になってしまう確率が高いのです。
そもそもプロットに工夫を凝らしたとしても、作品のおもしろさに直結するわけではありません。
世に出ている多くの作品が、手垢のついたプロットを使いまわしています。
しかしそこには”魅力的なキャラクター”が登場し、既存のプロットと絡みあうことで、物語として成立しています。
つまらなくなってしまう原因の多くは、キャラクターの描き方にあるのです。
もちろんこの理論が「すべての作品に当てはまる」とまでは言いません。
ただし、キャラクターを引き立たせていない作品がおもしろくなるとは考えにくい。
逆に、使い古されたストーリーであってもキャラクターさえ引き立っていればおもしろくなる。
書き手はこの特徴を突くべきです。
安易にストーリーを追加・変更するとかえって遠回りになるかもしれません。
プロットをいじりかけた手を引く勇気をもって、キャラクターの描き方に目を向けてみましょう。
■ 参考
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