「異質な言葉」の作り方
異質な言葉は、見る人に強い印象を与えます。
創作においてこれを欲している書き手は少なくないはずです。
たとえば、次の作品のタイトルを見てみましょう。
独特なタイトルがつけられた作品は、実際に読んでいなくても頭に残っているのではないでしょうか。
言葉の意味はわかるし、その情景もある程度は浮かぶけれど、どうにも釈然としない。
このような言葉を思いつけば、それだけで印象を残すことができます。
同時に、書き手のオリジナリティを示すことにもつながるのです。
今回ご紹介するのは、このような異質な言葉を “作為的” に生み出すための方法です。
小説の執筆にも、コピーライティングにも、楽曲の作詞にも活用できるでしょう。
まず、何の変哲もない言葉をランダムに列挙します。
雑誌に書かれていた文言や、適当なキャッチコピー、好きな歌詞から引用しても良いでしょう。
① 会いたい人
② 風が吹く音
③ 彼女の秘密
④ パンケーキ食べたい
⑤ 海辺は青い
次に、この言葉の品詞を分解して、それぞれをまとめてみます。
一覧表にするとわかりやすいですね。
修飾語 | 名詞 | |
① | 会いたい | 人 |
② | 風が吹く | 音 |
③ | 彼女の | 秘密 |
④ | 食べたい | パンケーキ |
⑤ | 青い | 海辺(は) |
まとめ終えたら、これらの組み合わせをずらすのです。
試しに、修飾語を固定したまま、名詞をずらしてみましょう。
修飾語 | 名詞 | |
①+⑤ | 会いたい | 海辺 |
②+① | 風が吹く | 人 |
③+② | 彼女の | 音 |
④+③ | 食べたい | 秘密 |
⑤+④ | 青い | パンケーキ |
すると、この表のなかで「あべこべな組み合わせ」が横並びになります。
当初は印象に残らない言葉ばかりでしたが、組み合わせを変えることで心にひっかかりをもたらすフレーズになりました。
これがまさに、異質な言葉ですね。
表にまとめた言葉を少しずらしてしまえば、誰でもかんたんに生み出すことができるのです。
インスピレーションに頼りきっていた状況に限界を感じた場合など、とくに有効ですね。
異質な言葉をどのように活用するかは、書き手次第です。
タイトルのように「主軸」として扱うのも良いでしょうし、裏テーマのように「素材」として扱うのも良いでしょう。
もちろん、納得がいくまで言葉を組み合わせを変え続けたって良いのです。
ぜひ、創作活動に役立ててください。
■ 参考
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