【創作】物語に「主人公の変化」を作る【変化するきっかけ】

2019年10月6日

 

物語において「主人公の変化」は非常に重要です。

最初から最後まで主人公の心情に変化がない物語は、人の心を動かしません。

 

【精神的な特徴】変わるものと変わらないもの【求められる変化】【読み手の意識】

 

「主人公の変化をどのようにもたらすか」は、執筆のポイントとなります。

今回は変化の作り方について、基本的な考えをご紹介します。

 

 

主人公が変わる「きっかけ」を設定する

流れにそって物語を動かしたところで、主人公が変化するわけではありません。

だからこそ書き手は、「主人公が変わらなければならない状況」を考える必要があります。

それを物語のなかに組みこむことで、変化するきっかけが生まれるのです。

 

したがってこれは「登場人物の描き方」の話であり、「物語の編み方」の話でもあります。

主人公の変化を見据えて、物語の構造から考えるのです。

 

 

きっかけは外からやってくる

たとえば、主人公が「自宅から会社までの道のりを往復する毎日」を送っていたとしましょう。

この時点では、まだ受身のままですね。

主人公が会社から帰る途中、捨て猫を拾ったとします。

このときの「捨て猫を拾う」という行動によって、ようやく主人公は受身でなくなります。

 

このように、多くの場合で主人公が変わるきっかけは外からもたらされます。

上記の例では「捨て猫」を盛り込むことで、主人公の行動を促しました。

仮に「拾わない」と選択したとしても、「捨て猫を無視した」という意識が働くため、その精神面に何らかの影響があることは間違いありません。

このような状況が主人公の内面を変化させる”きっかけ”となり、物語を彩っていくわけです。

 

 

「きっかけ作り」や「変化の描写」は慎重に

あまりにも突飛なきっかけを持ちこんでしまうと、読み手を置き去りにする恐れがあります。

「変化のきっかけ」に対する主人公の反応が不自然であれば、読み手はそこに違和感を覚えてしまうでしょう。

主人公の内面をどのように動かすかについて、書き手は慎重に考えなければなりません。

これらはただ変化させればいいというわけではなく、「論理性」や「一貫性」をもって展開しなければならないのです。

 

変化の土台をロジカルに組み立てたあとは、その詳細を描いていく必要があります。

明確なターニングポイントを設けて変化させる場合もあれば、徐々にグラデーションをかけるように変化させる場合もあります。

どちらにしても、目指すべきは読み手が納得できる変化です。

読み手が感情移入して主人公と同じ変化を共有できるよう、慎重かつ丁寧に描いていきましょう。

 

■ 参考

 

創作

Posted by 赤鬼