【創作】物語に「主人公の変化」を作る【変化するきっかけ】
物語において「主人公の変化」は非常に重要です。
最初から最後まで主人公の心情に変化がない物語は、人の心を動かしません。
「主人公の変化をどのようにもたらすか」は、執筆のポイントとなります。
今回は変化の作り方について、基本的な考えをご紹介します。
主人公が変わる「きっかけ」を設定する
流れにそって物語を動かしたところで、主人公が変化するわけではありません。
だからこそ書き手は、「主人公が変わらなければならない状況」を考える必要があります。
それを物語のなかに組みこむことで、変化するきっかけが生まれるのです。
したがってこれは「登場人物の描き方」の話であり、「物語の編み方」の話でもあります。
主人公の変化を見据えて、物語の構造から考えるのです。
きっかけは外からやってくる
たとえば、主人公が「自宅から会社までの道のりを往復する毎日」を送っていたとしましょう。
この時点では、まだ受身のままですね。
主人公が会社から帰る途中、捨て猫を拾ったとします。
このときの「捨て猫を拾う」という行動によって、ようやく主人公は受身でなくなります。
このように、多くの場合で主人公が変わるきっかけは外からもたらされます。
上記の例では「捨て猫」を盛り込むことで、主人公の行動を促しました。
仮に「拾わない」と選択したとしても、「捨て猫を無視した」という意識が働くため、その精神面に何らかの影響があることは間違いありません。
このような状況が主人公の内面を変化させる”きっかけ”となり、物語を彩っていくわけです。
「きっかけ作り」や「変化の描写」は慎重に
あまりにも突飛なきっかけを持ちこんでしまうと、読み手を置き去りにする恐れがあります。
「変化のきっかけ」に対する主人公の反応が不自然であれば、読み手はそこに違和感を覚えてしまうでしょう。
主人公の内面をどのように動かすかについて、書き手は慎重に考えなければなりません。
これらはただ変化させればいいというわけではなく、「論理性」や「一貫性」をもって展開しなければならないのです。
変化の土台をロジカルに組み立てたあとは、その詳細を描いていく必要があります。
明確なターニングポイントを設けて変化させる場合もあれば、徐々にグラデーションをかけるように変化させる場合もあります。
どちらにしても、目指すべきは読み手が納得できる変化です。
読み手が感情移入して主人公と同じ変化を共有できるよう、慎重かつ丁寧に描いていきましょう。
■ 参考
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