【創作】現実にあるものを作品に取り入れる【権利関係のクリア】【作品への影響】

 

架空の世界のなかに「現実にあるもの」を取り入れたくなる場合があります。

実在する「人物」や「モノ」、「作品名」や「地名」などが、物語にとって重要に思えることがあるのです。

最初に書いておきましょう。

現実にあるものを作品で扱う際には、注意が必要です。

 

 

権利関係の問題をクリアする

いくらウソの物語とはいえ、好き勝手に名前を使っていいわけではありません。

地名については比較的寛容な傾向にありますが、次のような要素を扱うとしたら注意が必要です。

 

● タレント、スポーツ選手、ミュージシャンなどの人物名

● iPhone、ルンバ、ポッキーなどの商品名

● 映画、ドラマ、楽曲における作品名

 

これらを作品取り入れるとしたら、当然ながら「権利関係」はクリアしなければなりません。

書き手がとるべき対応はそれぞれで変わってくるため、正しい扱い方を調べる必要があります。

これは作品を書くにあたって、大前提となる部分です。

万に一つでも、権利を侵害することのないよう注意しましょう。

 

書き手が、権利関係の問題をクリアできたとします。

ただし今度は、取り入れた要素が物語にとって有益がどうかを判断するべきです。

 

 

リアリティが侵害される危険性

たとえば次のような一文を書いたとしましょう。

 

娘はアンパンマンを観ている。

 

『それいけ!アンパンマン』は超有名なアニメ作品ですね。

日本人であれば共通理解として扱える要素といえます。

このような「現実にあるもの」を取り入れることで、作品のリアリティが増すように思えます。

しかし実際は、「リアル」が「リアリティ」を侵害している可能性があるのです。

 

【創作】リアルとリアリティの違い【読み手に勘違いさせる】

 

現実にあるものを取り入れたところで、作品にとってプラスに作用するとは限らないのです。

書き手はこの危険性について深く考えなければなりません。

 

 

書き手が「創りだす」こともできる

作品にとって「国民的アニメ」が重要であれば、次のように書くこともできるはずです。

 

娘はアニメを観ている。 私も子どものころ、よく観ていたアニメだ。

 

ここで読み手が想像するのは、こち亀なのかもしれないし、ドラえもんやサザエさんかもしれない。

ガンダムやエヴァンゲリオンの可能性もあります。

アンパンマンでなければ成立しない理由がない限り、こちらのほうが扱いやすいのではないでしょうか。

 

書くのは創作であり、架空の世界が前提になるわけですから、書き手が創りだすこともできます。

「アンパンマンに匹敵する国民的アニメ」を、物語のなかに生み出せばいい。

これは「人物」や「モノ」、「地名」であっても同様です。

書き手はあくまでも「モデルにする」に留めておき、”架空の世界でのオリジナル”を描くことで物語のリアリティへとつながっていくのです。

 

もちろん「アンパンマンを扱うことでしか成立しない作品」を書きたい場合、誰もそれを止めることはないでしょう。

しかしたとえ作品が成立したところでその物語は、外にある要素に寄りかかることでしか存在できなくなります。

そう考えると、作品の世界を「現実にあるもの」におもねる状況はあまり好まれないのかもしれません。

このことも含めて、書き手は「現実にあるもの」について注意深く扱いましょう。

 

■ 参考

創作

Posted by 赤鬼