【創作】登場人物になりきる感覚【正しい視点の確保】【リアリティ】
「リアリティのある登場人物」を描くためには、その設定を細かく詰めることが大事です。
ただし登場人物の設定だけでは、いざ物語が動いたときにリアリティを保障できなくなることがあります。
そうならないためにも、書き手自身、登場人物になりきることが重要です。
詳しく見ていきましょう。
正しい視点を確保する
次の図形を見てみましょう。
それぞれの視点から見えるかたちは、3方向で違っているはずですね。
これが基本的な「視点の概念」です。
正しい視点を確保するには、書き手がこの概念を念頭におく必要があります。
Aは、CやBのような複雑なかたちを目に入れることができません。
逆にCやBの位置からは、Aの直線(平面)が見えるはずありませんね。
正しい視点を確保できていない小説は、見えるはずのないことが見えてしまいます。
それが視点の「ブレ」や「乱れ」です。
特定の登場人物になりきる
わかりやすい例は、その登場人物が「知らないはずのことを知っている」状況です。
構造から破綻しているため、これについては書き手も細心の注意を払うでしょう。
ただし、それだけでは不十分です。
視点の概念は、もっと根源的なところに作用させる必要があります。
登場人物には、その”登場人物らしさ”があるはずです。
物語のなかで見聞きしたり、感じたり、思ったりするのは、その登場人物ならではのことであるべきです。
だからこそ書き手は、その登場人物らしい様子を描くように努力しなければなりません。
そのためには、書き手自身が物語ないし場面のなかに入り込んで、その登場人物になりきることが必要です。
そうすることで、ようやく「登場人物の視点」を得られるのです。
「物語のおもしろさ」につながる
登場人物の視点をもてば、そこから「登場人物ならではのもの」がアウトプットされるはずです。
誤解を恐れずにいえば、これはもはや書き手のものではありません。
書き手のものでないからこそ、読み手には「キャラがたっている」や「リアリティがある」と感じてもらえるのです。
これはそのまま、物語のおもしろさにつながりますね。
書き手がこれを尊重しなければ、登場人物に命を吹き込むことができません。
「思わないはずのことを思っている」「感じるはずのないことを感じている」といったように、違和感をもたらす原因になります。
書き手が正しい視点を確保した上で、その登場人物になりきれば、読み手を裏切ることはないはずです。
生きた登場人物を描きながら、おもしろい物語を書いていきましょう。
■ 参考
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