「文頭」で内容を引っ張る【書くポイント】【並べかえと書きかえ】

 

文章の内容を引っ張るのは「文頭」です。

最初に書かれた内容は、残響のようなものを放ち、その後の文章へと作用します

したがって書き手は、文頭に重きをおくべきです。

今回は文頭の書き方について考えていきましょう。

 

 

リーダーの役割を担う文

世の中にある文章は、平面に並んでいることが多いため、その内容も「地続き」に見えてしまいます。

しかし実際、それぞれの文には役割が与えられていて、その仕事を全うしています。

わかりやすい役割は「リーダー」と「フォロワー」です。

 

文章に「リーダー」と「フォロワー」を割り当てる【文がもつ意味】【担う役割】

 

つまり「文頭を書く」ということは、「リーダーとなる文を書く」ことでもあります。

次項から具体的な方法を考えていきましょう。

 

 

「並べかえ」をする

内容を引っ張る文章がすぐに思いついたのであれば、そのまま書き落とすのもけっこうです。

しかし実際、そうかんたんに浮かぶものではありません。

「並べかえ」をする前提で文章を書き、どれがリーダーになるのかを見極めると良いでしょう。

 

特別なことを意識せず、まずは書いていきます。

 

スラム街に住む人と、セレブ街に住む人。

人間である以上、服を着て出かけ、腹が減れば食事を摂り、眠くなれば横になる。

そんな日々の中、折々に訪れる「幸福」に大きな差はないはずだ。

貧富の差はあれど、やはり私たちは人間なのだ。

 

次に、この内容からリーダーの素質がある文章を選びます。

 

ここでは三行目の「そんな日々の中、折々に訪れる「幸福」に大きな差はないはずだ。」にしましょう。

 

例2

そんな日々の中、折々に訪れる「幸福」に大きな差はないはずだ。

スラム街に住む人と、セレブ街に住む人。

人間である以上、服を着て出かけ、腹が減れば食事を摂り、眠くなれば横になる。

貧富の差はあれど、やはり私たちは人間なのだ。

 

そのまま文頭に並べかえたとしても、まだ全体の整合性はとれていません。

ここで次のステップに移ります。

 

 

「書きかえ」で整える

文を並べかえた段階で「そんな日々の中」を受ける言葉がなくなってしまいました。

「書きかえ」を行い、全体を整えましょう。

 

「幸福」に大きな差はない。

スラム街に住む人と、セレブ街に住む人。

人間である以上、服を着て出かけ、腹が減れば食事を摂り、眠くなれば横になる。

貧富の差はあれど、やはり私たちは人間なのだ。

 

例2

暮らしの中で訪れる「幸福」に大きな差はないはずだ。

スラム街に住む人と、セレブ街に住む人。

人間である以上、服を着て出かけ、腹が減れば食事を摂り、眠くなれば横になる。

貧富の差はあれど、やはり私たちは人間なのだ。

 

例3

私たちが実感する「幸福」に大きな差はないはずだ。

スラム街に住む人と、セレブ街に住む人。

人間である以上、服を着て出かけ、腹が減れば食事を摂り、眠くなれば横になる。

貧富の差はあれど、やはり私たちは人間なのだ。

 

 

さまざまな書き方をしながら、自分がベターだと思う文言を選びます。

細かなところは違えど、文の役割や性質は保持したままですね。

リーダーである意味は、その後に続く文章を引っ張ることにあります。

そのために効果的な言葉や表現を考え、文章を整えましょう。

 

■ 参考

Posted by 赤鬼