「です・ます」と「だ・である」を混ぜて使う
文章を書くときには、原則として、文体を統一しなければなりません。
常体(だ・である)と敬体(です・ます調)とを混ぜて使うことはできないのです。
しかし厳密にいえば、この認識は間違いです。
「文体を混在させてはけない」と頭ごなしに否定してしまっては、より良い文章を書く機会を失ってしまいます。
例文
日々、受験勉強に追われています。
勉強なんてしなくても、要領が良ければ生きていけるのだ。
そう思って怠けていた時期を、今となっては後悔しています。
この例文では、「です・ます調」と「だ・である」が混在しています。
しかし、文章として成立していますね。
「です・ます調」で書かれているのは、現在の状況や心境です。
それに対して「だ・である調」で書かれている内容は、過去に書き手が思っていたことです。
文体を書き分けることで、その違いを示しているのです。
書き手がこれを理解した上で書き分ければ、他の文とは性質が違ったものを文章に取り入れることができます。
ただし、考えなしに使ってしまうと文章として成立しなくなります。
成立しない例
日々、受験勉強に追われています。
勉強なんてしなくても、要領が良ければ生きていけるのだ。
そう思って怠けていた時期を、今となっては後悔しているのだ。
効果的な書き分けができていませんね。
前半と後半で文体が噛み合っていないだけなので、ただルールに反している文章です。
このように、文体を混在させるには、使いどころを考える必要があるのです。
適切なタイミングで使い分けることで、ワンランク上の表現ができるようになります。
ディスカッション
コメント一覧
自分の文が合っているか不安だったので助かりました!ありがとうございます!
もも さま
コメントありがとうございます。
そのお言葉が励みになります。
記事内の例文は時制の違いから書き分けたものでしたが、セリフを地の文に埋め込んだりする場合にも使えますね。
小説はもちろん、随筆でも同様の使い方がみられますので、自由に書ける文章では効果的に使える手法といえます。
今後ともよろしくお願いいたします。