【登場人物の設定】職業から人物像を考える【キャラクターの形成】

 

登場人物に「この人だからこそできること」を設定すると便利です。

いいかえれば「特技」ですね。

これを要素として取り入れると、特定のキャラクターを形成しやすくなります。

そうして出来上がった登場人物は、効率良く物語に作用していくはずです。

詳しく見ていきましょう。

 

 

職業によって印象が変わる

わかりやすく設定できるのは「職業」です。

職業に対する印象は、「人物に対する印象」と密接な関わりがあります。

 

● 配達員

● プロボクサー

● 弁護士

 

上記の職業を見たとき、それぞれで違った印象を受けるはずです。

仕事には性格上の「向き・不向き」があり、実務に求められる能力もそれぞれ変わってきますね。

読み手は無意識のうちに、就いた職業から「得意・不得意」を推しはかり、登場人物のイメージを形成します。

登場人物と職業を組み合わせることで、書き手は人物像を描きやすくなります。

 

 

登場人物の特技につながる

職業から「人物像」を示したとはいえ、その段階ではまだ漠然としています。

登場人物と職業を深く結びつけることで、そこから「個々の特技」につなげることができます。

 

● 配達員

地理に詳しい / 運転が巧い / 処理能力が高い

● プロボクサー

戦いが得意 / 負けず嫌い / 身体能力が高い

● 弁護士

討論が強い / 冷静でいられる / 思考能力が高い

 

仮に「職業なし」でこの特技を描くとしましょう。

場合にもよりますが、多大な文字数をかけ、複数の場面をもって描かなければ読み手には伝わりません。

職業に就いているからこそ、その一般的なイメージを流用できるのです。

そこからさらに「営業成績がトップ」「事務処理が速い」「勤務年数が長い」などの設定を詰めれば、よりわかりやすくなるでしょう。

 

 

物語に作用させる

登場人物の職業を示してその詳細を詰めれば、具体的なキャラクターを形成することができます。

そこから浮かび上がるものは、物語に作用させなければ意味がありません。

 

たとえば物語で「猟奇殺人犯から追われる展開」があったとします。

上記の例で考えると、それぞれの対応が変わってくるはずです。

 

● 配達員

⇒ すばやく逃げることができる

● プロボクサー

⇒ 戦うべく立ち向かうことができる

● 弁護士

⇒ 対処法を冷静に考えることができる

 

 

判断や行動を迫られたとき、その登場人物ならではの選択があるはずです。

まさに「この人だからこそできること」であり、書き手はその登場人物に応じた描き方をしなければなりません。

個々の特性を活かしながら描くことで、はじめて物語に作用させることができます。

「違った職業の3人が同じ現場に居合わせる」など、個々の特性を組み合わせてもおもしろいでしょう。

 

「性格」や「人格」などぼんやりとしたものを手探りで設定すると、書き手もなかなか描きにくいはずです。

無理を通して書いたとしても、読み手に伝わらない恐れがあります。

そこで「登場人物の職業」から考えると、具体的なイメージを効率良く設定することができます。

もちろん読み手にも伝わりやすくなり、活きた登場人物を描くことができるでしょう。

 

 

■ 参考

創作

Posted by 赤鬼